ウオーキング辞典
ウオーキングとは?
主催者により決められたコースを歩くスポーツです。
陸上競技である「競歩」とは違います!
歩くスタイルは自由。もちろん、背筋をのばしたほうが疲れにくいけど。
コースが一部区間決められていない(散策可能な)大会もあります。
1日に歩く距離は5km〜50kmと、大会によって違います。
具体的にどのように歩く?
大別して、地図と道標を目印に自分のペースで歩く「自由歩行」と、大会役員が先頭と最後尾にいて、その中を皆が同じペースで歩く「集団歩行」があります。
「集団歩行」は、歩行速度が時速4km〜5kmぐらい、「自由歩行」は自分のペースで歩けますが、主催者による最後尾のアンカー(だいたい時速4km)よりも遅く歩くことはできません。速い人は時速7km以上で歩きます。
コースに山道が取り入れられることも多いことから、車椅子での参加は制限されることが多い(*)ですが、耳の不自由な方などの参加はよくあります。それだけに、車道を歩くときには自分のことはもちろん、回りに気を配ることが大切です。
また、ウオーキングを表わす標語の一つに、「写真以外は取るべからず、足跡以外は残すべからず」というものがあります。環境をなるだけ変えずに、環境と親しむ、というのが趣旨の一つとなっています。
(*)車椅子の方と大人数の健常者が一緒のコースを歩くと、車椅子の方が自分のペースで歩けないことから、車椅子の方が別コースで歩ける大会もあります。
ウオーキングに参加する年齢層は?
海外では、健康増進などの目的で、各年齢層わけへだてなく参加されているようです。スキーとかテニスといったジャンル分けをした場合に、親しんでいるスポーツのベスト10位以内に「ウオーキング」がランキングされることも珍しくないとか。
対して日本では、大会の特色によって、小中学生・高校生の参加が目立つ大会もあるものの、大半は50代以上の方々で、20代〜40代は残念ながら「ちらほら」と言った状況です。
ウオーキングはスポーツか?
上に述べた「年齢層」とも関係しますが、国内のある調査では「これから始めたいスポーツ」としてウオーキングが1位にランクインしたそうです。
しかし、犬の散歩で近所を歩くのと、大会で歩くのとでは、かなり趣を異にします。「徒歩」ではなく「ウオーキング」と言うのには理由があるのです。
@距離が長い(ことがある)……自由歩行とはいっても、何百、何千人という参加者が集まると結局、数珠つなぎになります。
一人で歩くのと、他人の背中を見て歩けるのは精神的にものすごく違い、もうこんな距離を歩いたのかと驚くことも。
しかし、体は正直なもので、慣れていないまま実力より長い距離に挑戦すると豆ができたり、膝が痛んだりします。
Aスピードが速い(ことがある)……大会に出ると、参加者は2つに分かれます。健康増進のため速いペースを維持する人と、景色を楽しみながら比較的ゆっくり歩く人です。
実はウオーキングはエアロビクスなどと同じ有酸素運動で、脂肪を燃焼させ、体を引き締めることが可能です……ただし男性で時速6km程度、女性で時速5.5km程度を維持して歩けた場合ですが……これを明示的に「EXW−エクササイズウオーキング」と呼ぶことがあります。
10年以上前、アメリカ・ニューヨークの一部のビジネスマンがEXWをしていることで話題になりましたが、このときは散歩とEXWの区別がはっきりとつけられていなかった気がします。
B雨が降る(ことがある)……大会は雨天順延や雨天延期ということがありません。
「雨もまた自然であり、自然と親しむため」気象警報発令時以外、雨が降っても最後まで歩きます。もちろん、参加を取りやめるのは個人の自由です。
なお、1996年2月18日、太平洋側が記録的な豪雪で東名高速が全線通行止め、青梅マラソンまで中止になった日ですが、「コース路面が凍結した場合には中止する」ことがありました。
中止とは順延でも延期でもありません、最初からその日の予定はなかったことにすることです。
日本ではどう実施されている?
日本での大会は、日本ウォーキング協会(以下協会)、日本市民スポーツ連盟(以下連盟)、協会・連盟に加盟する支部、または有志レベルが主催するものと、種々あります。
協会では「Walking Life」という月間雑誌を発行しており、大会の要項などを知ることができます。
関東圏、関西圏ではまず間違いなく、土曜日曜祝日にはどこかで例会(加盟支部が開催する比較的小規模な大会)が催されています。
参加して何が楽しい?
私は「1着でゴールしたら賞金が出るのか」と聞かれて閉口したことがあります。協会・連盟が主催する大会で順位が記録されることはないです。
趣旨は、あくまでも「自然と親しみながら自分のペースで歩いて、自分の決めた目標距離を完歩すること」です。
ですから、たまたま午後から別の用事があって、午前中に歩ききろうと思って全速力で歩いたことがあり、ゴールで「早く歩きすぎだ。まだ認定できないよ。」と怒られたことがあります。
認定というのは、歩いた距離で「完歩証」「記念品」などが参加費の中からもらえるほか、協会・連盟それぞれの決まりで「1000km表彰」「50回参加表彰」「日本ウオーカー賞」などといった累積式の表彰があります。
参加費は、例会クラスで数百円、大会クラスで最高二千円程度です。(集合解散地までの交通費、宿泊費、食費などをのぞく。)
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